単孔 Foramen singulare

単孔は、内耳道底の下前庭野の後方に位置する小さな孔で、その名の通り「単一の孔」を意味します。この解剖学的構造は前庭神経の重要な分枝である後膨大部枝の通過路として機能しています(Rhoton, 2000)。

解剖学的特徴

単孔を通過する後膨大部枝は、前庭神経節(スカルパ神経節)内に細胞体を持つ双極性ニューロンの末梢突起と連結しています。これらのニューロンは後半規管の膨大部稜に存在する有毛細胞からの平衡感覚情報を中枢神経系へ伝達する役割を担っています(Sanna et al., 2014)。

臨床的意義

単孔の解剖学的位置と構造の正確な理解は、内耳疾患の診断、側頭骨手術のアプローチ、および前庭機能検査の結果解釈において重要な意義を持ちます(Lo et al., 2017)。

参考文献