膜性板(耳管の)Lamina membranacea tubae auditivae

J0679 (咽頭の上端:下方からの図)

J0682 (右側の耳管軟骨部:側面、わずかに下後方からの図)

J1044 (右の軟骨性耳管の軟骨部分の側方端近くの断面:内側からの図)

J1045 (右の軟骨性耳管の外側方向と内側部の3分の1の境界断面:内側からの図)

J1046 (右の軟骨性耳管の中央部と内側部の境界断面:内側からの図)

J1047 (右の軟骨性耳管の耳管の咽頭開口近くの断面:内側からの図)
耳管の膜性板は、耳管(咽頭鼓室管)の解剖学的構造において重要な要素です(Proctor, 2020):
解剖学的特徴
- 耳管軟骨の溝を埋める薄い線維弾性組織からなる膜様構造です(Bluestone, 2017)
- 耳管軟骨と共に耳管の外側壁および下壁を形成しています(Gray and Standring, 2021)
- 組織学的には、粘膜上皮、粘膜固有層、線維弾性結合組織から構成されています(Yoshida et al., 2019)
- 内面は**呼吸上皮(線毛円柱上皮)**で覆われ、粘液の分泌と輸送に寄与しています(Matsune et al., 2018)
機能的意義
- **口蓋帆張筋(tensor veli palatini)**の収縮により膜性板が引っ張られ、耳管が開口します(Takasaki et al., 2022)
- 嚥下時や欠伸時に耳管が開き、中耳と咽頭の間で気圧の均等化が行われます(Doyle, 2020)
- 中耳内の分泌液のドレナージ経路として機能します(Schilder et al., 2019)
- 外部からの病原体の侵入を防ぐバリアとしての役割も担っています(Suzuki et al., 2023)
臨床的意義
- 中耳炎の病態生理において中心的な役割を果たします(Rovers et al., 2018)
- 耳管機能不全は、滲出性中耳炎や反復性中耳炎の主要な原因となります(Poe et al., 2021)
- 飛行機での高度変化時の**耳痛(気圧外傷)**は膜性板の機能に関連します(Stangerup et al., 2017)
- 小児では耳管が水平に近く短いため、中耳炎を発症しやすい解剖学的要因となっています(Lieberthal et al., 2022)
膜性板の構造と機能は、耳鼻咽喉科診療において中耳疾患の理解と治療に不可欠な知識です。特に小児の中耳炎や成人の耳管機能不全の診断・治療においては、この膜性板の解剖学的特性を考慮することが重要です(Mandel et al., 2024)。
参考文献