

J1032 (鼓膜を取り除いた後の右鼓室の耳小骨:外側から前下方からの図)

J1034 (右の鼓膜とツチ骨、および鼓索神経:内側から後上方の図)

J1035 (右の鼓膜、ツチ骨とキヌタ骨:内側から後上方からの図)


キヌタ骨体は、中耳に位置する3つの耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)の中で、キヌタ骨の主要構成部分です。解剖学的および機能的に重要な構造を持っています (Schuknecht and Gulya, 2010)。
キヌタ骨体は、やや扁平な立方体状の構造を呈し、約2-3mm大の大きさを持ちます (Gulya et al., 2020)。その外形は、耳小骨連鎖における力学的伝達に最適化された形状となっています (Proctor, 1989)。
キヌタ骨体は上鼓室(epitympanum)内に位置し、ツチ骨頭の後方に存在します (Anson and Donaldson, 1981)。この位置関係は、音波の効率的な伝達において重要な役割を果たします (Williams and Warwick, 2014)。
キヌタ骨体の前側には凹状の関節窩(小関節窩)があり、ツチ骨頭との間で鞍状関節(耳小骨関節)を形成します (Williams and Warwick, 2014)。この関節は、音響振動の伝達において可動性と安定性の両立を実現しています (Schuknecht and Gulya, 2010)。
キヌタ骨体からは2つの突起が延びています (Proctor, 1989):
キヌタ骨体は緻密骨で構成され、内部に少量の海綿骨を含みます (Merchant and Nadol, 2010)。この組織構造は、音響振動の効率的な伝達と機械的強度の確保を両立させています (Schuknecht and Gulya, 2010)。
キヌタ骨体は、ツチ骨から受け取った振動を長脚を通じてアブミ骨に伝達し、音の機械的増幅に寄与します (Dallos, 2012)。中耳伝音系において、キヌタ骨体はインピーダンス整合の重要な要素として機能しており (Pickles, 2012)、外耳道から内耳への効率的なエネルギー伝達を可能にしています。