耳珠板 Lamina tragi
耳珠板は、外耳の重要な解剖学的構造で、以下の詳細な特徴と臨床的意義を持ちます(Standring, 2015; Drake et al., 2020):
解剖学的特徴
- 外耳道軟骨の外側部分に位置し、外耳道の前外側壁を形成する薄い軟骨板(Schuenke et al., 2016)
- 外耳道の外開口部の前方に存在し、耳珠(tragus)の構造的基盤となる(Moore et al., 2018)
- 厚さ約1〜2mmの軟骨性構造で、弾性軟骨で構成されている(Pawlina, 2020)
- 耳珠に位置する小さな尖った突起の一部を構成し、顎関節の直上に位置する
- 表面は皮膚で覆われ、毛包や皮脂腺を含む(Sinnatamby, 2019)
臨床的意義
- 外科的指標:耳珠板は側頭骨の手術時の重要な解剖学的ランドマークとなる(Gulya et al., 2019)
- 耳手術アプローチ:外耳道形成術や鼓室形成術の際の重要な参照点(Jackler, 2017)
- 耳珠軟骨移植:再建手術において自家軟骨移植片として使用可能(Lupo, 2015)
- 外傷:外耳の外傷で損傷を受けることがあり、耳介変形の原因になり得る(Park and Yoo, 2017)
- 先天異常:先天性外耳道閉鎖症では、耳珠板の発達異常が見られることがある(Kelley and Scholes, 2018)
関連構造物との関係
- 顔面神経:耳珠板の近傍を顔面神経の側頭枝が走行する(Tubbs et al., 2019)
- 浅側頭動脈:耳珠板の前方を浅側頭動脈が上行する(Standring, 2015)
- 耳介側頭神経:三叉神経第3枝の分枝で、耳珠板領域に感覚を提供する(Woodburne and Burkel, 2017)
参考文献
- Drake, R.L., Vogl, A.W. and Mitchell, A.W.M. (2020) Gray's Anatomy for Students, 4th ed. — 学生向け解剖学教科書で、臨床的観点から耳の構造を解説