



軟骨性外耳道は、外耳道の外側1/3の部分を構成する解剖学的構造である (Standring, 2020)。成人では約8mmの長さがあり、側頭骨の外側に位置している (Moore et al., 2018)。
軟骨性外耳道は耳介軟骨の延長部である管状の線維軟骨(fibrocartilage)で形成されている (Moore et al., 2018)。この軟骨は弾性軟骨と線維軟骨の中間的な性質を持ち、柔軟性と形状保持能力を兼ね備えている (Standring, 2020)。
軟骨性外耳道の内面は重層扁平上皮(stratified squamous epithelium)で覆われており、皮脂腺(sebaceous glands)と耵聹腺(ceruminous glands)を含んでいる (Dhingra and Dhingra, 2017)。耵聹腺はアポクリン汗腺が変化したもので、皮脂腺の分泌物と混合して耳垢(cerumen)を形成する (Guest et al., 2004)。
軟骨性外耳道はS字状のカーブを描いており、骨性外耳道(内側2/3)と連続している (Sinnatamby, 2011)。この湾曲は音響的な特性を持ち、また異物の侵入を防ぐ機械的障壁としても機能する (Standring, 2020)。軟骨は外耳道の上壁と前壁、下壁の一部を形成するが、後壁は結合組織で補完されている (Schuenke et al., 2016)。
軟骨性外耳道の血液供給は、外頸動脈の枝である後耳介動脈(posterior auricular artery)と浅側頭動脈(superficial temporal artery)から受けている (Drake et al., 2019)。静脈還流は後耳介静脈と顎静脈を経由して外頸静脈に注いでいる (Netter, 2018)。
軟骨性外耳道の感覚神経支配は複雑で、三叉神経第3枝の耳介側頭神経(auriculotemporal nerve)、顔面神経、迷走神経の耳介枝(auricular branch)によって重複支配されている (Netter, 2018)。この重複神経支配により、外耳道の刺激が咳反射(Arnold's reflex)を引き起こすことがある (Standring, 2020)。
軟骨性外耳道のリンパ排液は主に耳前リンパ節(preauricular lymph nodes)と後耳介リンパ節(postauricular lymph nodes)に向かい、最終的には深頸部リンパ節に達する (Drake et al., 2019)。
耵聹腺から分泌される耳垢は外耳道の保護機能を担っている (Guest et al., 2004)。耳垢は抗菌性、防水性を持ち、外耳道のpHを酸性に保つことで細菌や真菌の増殖を抑制している (Roland and Marple, 1997)。また、外耳道の自浄作用(self-cleaning mechanism)において重要な役割を果たし、上皮の移動とともに異物を外へ排出する (Guest et al., 2004)。