






J1015 (20歳女子の右眼:前から見たときに引っ張られて大きく開いた図)

眼球結膜は、結膜のうち眼球を被う部分であり、眼球の保護と、滑らかな眼球運動を可能にする重要な組織です (Remington, 2012)。
上皮層
眼球結膜の表層は、角化していない重層扁平上皮 (non-keratinized stratified squamous epithelium) で構成されており、外界からの物理的・化学的刺激に対するバリア機能を果たします (Forrester et al., 2020)。この上皮は通常2〜5層の細胞層からなり、角膜輪に近づくにつれて層の数が増加します (Dua et al., 2018)。上皮細胞間には緊密結合 (tight junction) が形成され、病原体や異物の侵入を防ぐ重要な役割を担っています (Knop and Knop, 2007)。
杯細胞
眼球結膜における杯細胞 (goblet cells) の密度は、眼瞼結膜と比較して著しく低く、涙液層の粘液成分 (mucin) の産生は限定的です (Knop and Knop, 2007)。杯細胞は主に結膜円蓋部に集中しており、眼球結膜ではほとんど認められません (Gipson, 2004)。この分布の違いは、眼球表面の透明性維持と関連していると考えられています (Forrester et al., 2020)。
固有層
固有層 (substantia propria) は、疎性結合組織からなり、豊富な弾性線維 (elastic fibers) を含んでいます (Dua et al., 2018)。この弾性線維の存在により、眼球運動時における結膜の柔軟な伸展が可能となり、眼球表面の滑らかな動きが保証されます (Holland et al., 2019)。固有層にはまた、リンパ球、形質細胞、マクロファージなどの免疫担当細胞が散在し、局所免疫応答に重要な役割を果たしています (Knop and Knop, 2007)。
動脈系
眼球結膜は主に前毛様動脈 (anterior ciliary arteries) により栄養されています (Kanski and Bowling, 2011)。前毛様動脈は外眼筋に伴走し、眼球赤道部付近で結膜に分布します (Hayreh, 2006)。これらの動脈は結膜固有層内で表在性の血管網を形成し、毛細血管叢を構築します (Yanoff and Duker, 2018)。この血管網は非常に細かく、正常時には肉眼的にはほとんど観察されませんが、炎症時には拡張・充血し、臨床的に重要な所見となります (Kanski and Bowling, 2011)。
静脈系
静脈系は動脈系と平行して走行し、最終的に眼窩静脈および顔面静脈へと還流します (Hayreh, 2006)。結膜の静脈系は弁を持たないため、炎症や鬱血が生じやすい構造となっています (Forrester et al., 2020)。
知覚神経
眼球結膜は三叉神経 (trigeminal nerve) の第一枝である眼神経 (ophthalmic nerve) により知覚支配を受けています (Kaufman and Alm, 2011)。具体的には、鼻毛様体神経 (nasociliary nerve) の分枝である長毛様体神経 (long ciliary nerves) が主要な支配神経となります (Bron et al., 2019)。この豊富な知覚神経支配により、眼球結膜は触覚、温度覚、痛覚に対して非常に敏感であり、異物感や不快感を迅速に感知できます (Forrester et al., 2020)。
自律神経