


眼窩中隔は、眼窩の前方を保護する重要な膜状構造です。以下に解剖学的構造と臨床的意義を詳述します。
眼窩中隔は発生学的には眼窩骨膜の延長であり、眼窩縁から上下の瞼板に向かって広がる強靭な結合組織膜です(Dutton, 2011)。眼窩縁の骨膜から起始し、上眼瞼では挙筋腱膜の前面を通過して上瞼板に、下眼瞼では下瞼板に付着します(Hwang et al., 2013)。
眼窩中隔の厚さは部位によって異なり、特に内側および外側の眼角部で厚くなっています(Meyer et al., 2012)。組織学的には密な不規則結合組織で構成され、弾性線維を含んでいます(Korn et al., 2017)。
内眼角部では内眼瞼靱帯(medial palpebral ligament)を形成し、涙嚢窩の前涙稜に付着します(Kakizaki et al., 2009)。外眼角部では外眼瞼靱帯(lateral palpebral ligament)を形成し、眼窩外側縁のWhitnall結節に付着します(Goldberg et al., 2016)。
眼窩中隔を貫通する構造物には以下があります(Sires et al., 2018):
眼窩中隔は眼窩内脂肪組織の前方移動を防止し、眼窩内容物を保持する物理的バリアとして機能します(Massry et al., 2011)。