眼球の前眼房
眼球の前眼房は、以下の特徴を持つ眼球内の空間です:
- 前方の角膜内皮と後方の虹彩内皮および水晶体前面瞳孔部との間にある凸凹レンズ形の間隙です。
- 周縁部は虹彩角膜角(小柱網)で構成されています。
- 中央部は瞳孔縁を経て後眼房へと続きます。
- 150-190mm³の眼房水が存在し、20-22mmHgの一定の眼圧が保たれています。
- 前部は体表に近く温度が低く、後部は温度が高いため、温度差により眼房水が循環します。
組織発生学的には、脈絡膜の組織間隙が特に発達したものです。病理学的な原因により眼圧が異常に上昇すると、緑内障(glaucoma)と呼ばれる症状が生じます。
J0980 (右眼球の水平断:模式的な上方からの断面図)