
水晶体皮質は水晶体の主要部分を構成する解剖学的構造であり、以下の特徴を持ちます:
水晶体皮質は水晶体嚢(レンズカプセル)の内側に位置し、中心部の水晶体核を取り囲む層状構造です (Gray, 2020)。水晶体の大部分を占め、透明性の維持と屈折機能に重要な役割を果たします。
水晶体皮質は六角形の断面を持つ細長い水晶体繊維細胞から構成され、これらの細胞は同心円状に配列しています (Kuszak et al., 2004)。この規則的な配列により、光の散乱を最小限に抑え、高い透明性が保たれています。
若年者の水晶体繊維細胞は細胞核を有しますが、加齢に伴い細胞核や細胞小器官が消失し、クリスタリンタンパク質(α、β、γクリスタリン)が主成分となります (Andley, 2007)。これらのタンパク質は高濃度で存在し、水晶体の屈折率を高める役割を担っています。
水晶体皮質は核よりも含水量が多く(約65%)、柔軟性に富んでいます (Fisher, 1971)。この特性により、毛様体筋の収縮による水晶体の形状変化が可能となり、調節機能に寄与しています。
水晶体皮質は高い透明性と適切な屈折率を持ち、眼の調節機能において重要な役割を果たします (Glasser and Campbell, 1998)。特に近見時の調節において、皮質の柔軟性が水晶体の厚みの変化を可能にします。
水晶体は外胚葉性の水晶体小胞から発生します。一次水晶体繊維が最初に形成され、その後二次水晶体繊維が生涯にわたって形成され続け、水晶体皮質を構成します (Lang, 1997)。
水晶体皮質に混濁が生じる病態で、楔状(くさび状)や放射状の混濁として観察されます (Michael and Bron, 2011)。加齢、紫外線曝露、糖尿病などが危険因子となり、進行すると視力低下を引き起こします。