


J0983 (灰青色の右眼の虹彩、毛様体および脈絡膜、前方からの図)


J0993 (角膜と虹彩を取り除いた後の眼球の水晶体と水晶体放線:前方からの図)

J0994 (角膜と虹彩を取り除いた後の眼の水晶体と水晶体放線:前方からの図)




水晶体は眼球における光学系の重要な構成要素であり、解剖学的特徴、臨床的意義、発生学的背景、組織学的特性について以下に詳述します。
水晶体は虹彩の後方、硝子体の前方に位置し、毛様小帯(チン小帯)により毛様体から支持されています (Snell and Lemp, 2023; Gray and Standring, 2024)。この支持構造により、水晶体は眼球内で安定した位置を保ちつつ、調節機能を発揮することが可能となります。
水晶体は両凸レンズ構造を呈し、前面と後面では曲率が異なり、後面の方がより強い曲率を持ちます (Remington, 2024)。この非球面レンズ構造により、球面収差が最小化されています。寸法は赤道直径が約9mm、中心部の厚さ(水晶体軸)は3.7~4.4mmであり、加齢に伴い徐々に増加します (Khurana, 2023)。
水晶体は以下の三層構造から構成されます (Gray and Standring, 2024):
水晶体は無血管性組織であり、栄養と酸素供給は房水から拡散により得ています (Snell and Lemp, 2023)。この特性により、水晶体は免疫学的に隔離された環境にあり、炎症反応が起こりにくい一方で、代謝障害に対して脆弱性を持ちます。
水晶体は毛様体筋の収縮・弛緩により曲率を変化させ、焦点調節(調節)を行います (Yanoff and Duker, 2023)。近見時には毛様体筋が収縮し、毛様小帯が弛緩することで水晶体がより球形となり、屈折力が増加します。