網膜視部 Pars optica retinae

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J0982 (外眼球軸(子午線)断面)

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J0984 (右眼の前部、後方からの図)

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J0985 (毛様体の一部、後方からの図)

網膜視部は、網膜の中で視覚に直接関与する部分を指し、解剖学的・機能的に重要な視覚情報処理の場です(Kolb et al., 2023)。

解剖学的構造

視細胞の構成と分布

網膜視部には視細胞である桿体(かんたい)と錐体(すいたい)が存在し、光を電気信号に変換します。桿体は約1.2億個あり、主に暗所視に関与し、錐体は約600万個で色覚と明所視を担当します(Curcio et al., 1990)。中心窩における錐体細胞の高密度分布と周辺部における桿体優位の分布パターンが、視覚の空間的特性を決定しています(Curcio et al., 1990)。

層構造

網膜視部は内側から外側へ向かって10層の明確な層構造を形成しています(Remington, 2021):

厚さと領域

網膜視部の厚さは部位により異なり、中心窩では約0.25mm、黄斑部で約0.4mm、鋸状縁(きょじょうえん)付近では約0.1mmと薄くなります(Hoon et al., 2014)。網膜視部は網膜の3つの主要部分(網膜視部、網膜毛様体部、網膜虹彩部)の中で最も広い領域を占めています(Kaufman & Alm, 2020)。