肝神経叢 Plexus nervosus hepaticus

J0978 (交感神経の腹部神経叢:前面からの図)
1. 解剖学的構造
1.1 基本構造と構成要素
肝神経叢は、迷走神経および横隔神経からの線維を含む自律神経叢であり、肝内の肝動脈とその枝の周囲に位置している(Yi et al., 2010)。解剖学的には、左右の神経叢に大別される。
1.2 左肝神経叢の解剖学的特徴
- 噴門付近において、左胃動脈神経叢および迷走神経の枝から神経支配を受ける(Mizutani et al., 2015)
- 肝門の左端を経由して肝臓実質内に進入する
1.3 右肝神経叢の解剖学的特徴
- 幽門付近の腹腔神経叢より起始する
- 総肝動脈および中肝動脈に沿って、肝十二指腸間膜内を走行する(Kressel et al., 2012)
- 以下の3群の神経束により構成される:
- 門脈伴行神経群:門脈に沿って走行し、門脈血流を調節する
- 動脈伴行神経群:肝動脈に随伴し、動脈血流を制御する
- 胆管伴行神経群:総胆管周囲を走行し、胆汁分泌を調節する
1.4 神経線維の構成と起源
- 交感神経線維は主として腹腔神経叢に由来する(Zhang et al., 2014)
- 副交感神経線維は迷走神経を主要な起源とする
- 知覚神経線維は横隔神経および脊髄神経に由来する
1.5 微細構造と分布様式
- 血管周囲には密な神経網が形成され、血流調節に関与する(Yamamoto et al., 2016)
- 肝実質内には微細な神経終末が分布し、代謝調節に寄与する