翼口蓋神経節 Ganglion pterygopalatinum
1. 定義と基本構造
- 翼口蓋窩の後上部に位置する副交感神経性の神経節であり、約3~4mmの不規則な扁平形状を呈する (Gray and Williams, 2020)。
- 知覚根(翼口蓋神経)、運動根(大錐体神経)、交感根(深錐体神経)の3つの根から構成され、各根が特異的な機能を担う (Standring, 2021)。
2. 解剖学的位置関係
- 蝶形骨翼状突起の基部近くに位置し、上顎神経の内下方に存在する (Moore et al., 2022)。
- 翼口蓋窩の脂肪組織中に存在し、周囲の血管や神経との位置関係が手術時の重要な指標となる (Drake et al., 2023)。
3. 主要な神経枝と支配領域
- 眼窩枝:眼窩領域への神経支配を担う (Netter, 2021)。
- 咽頭枝:咽頭領域の神経支配を行う (Netter, 2021)。
- 後鼻枝:鼻中隔と鼻甲介の粘膜を支配する (Netter, 2021)。
- 鼻口蓋神経:鼻腔および口蓋領域の神経支配を担う (Sinnatamby, 2023)。
- 口蓋神経:硬口蓋と軟口蓋の粘膜を支配する (Sinnatamby, 2023)。
4. 詳細な神経走行
- 翼突管神経は、神経節後縁から進入し、その径は約0.7mmである (Snell, 2022)。
- 大・小口蓋神経は、神経節下端から発生し、前・中・後の3枝に分かれて大口蓋管を下行する (Ellis, 2023)。
5. 組織学的特徴
- 多極神経細胞を含有し、その神経突起は鼻粘膜および口蓋粘膜に自由終末を形成する (Young et al., 2021)。
- 神経節の大きさと形状には個体差があり、上下径3.2~4.5mm、左右径1.8~3.5mm、前後径1.6~4.2mmの範囲で変異が見られる (Ross and Pawlina, 2020)。
6. 血管支配