交感神経 Pars sympathica divisionis autonomici systematis nervosi

J0976 (右交感神経の胸部網状組織、右前方からの図)
I. 解剖学的構造
1. 交感神経系の起始と経路
交感神経系は胸腰髄系とも呼ばれ、脊髄の胸髄第1節から腰髄第2節(T1-L2)の中間外側核から起始します(Standring, 2021; Gray and Drake, 2020)。神経節前線維は前根を経て脊髄神経に合流し、白交通枝を介して交感神経幹に至ります。
2. 交感神経幹と神経節
交感神経幹は脊柱の両側を縦走し、左右それぞれ20-25個の神経節を含みます(Standring, 2021)。主要な神経節には以下が含まれます:
- 上頚神経節:第2-3頚椎の高さに位置し、頭頚部への神経支配を担う
- 中頚神経節:第6頚椎の高さに位置するが、欠如することもある
- 下頚神経節:第7頚椎横突起の前方に位置し、第1胸神経節と融合して星状神経節を形成することが多い(Gray and Drake, 2020)
- 胸部神経節:T1-T12の高さに対応して存在
- 腰部神経節:通常4個存在
- 仙骨神経節:通常4-5個存在
3. 神経節後線維の分布
神経節でシナプスを形成した神経節後線維は、以下の経路を経て標的器官に到達します(Standring, 2021):
- 灰白交通枝:脊髄神経に合流し、体壁や四肢の血管、立毛筋、汗腺を支配
- 臓器神経:心臓、肺、消化器などの内臓器官へ直接投射
- 血管周囲神経叢:主要血管に沿って分布
4. 内臓への神経支配