後陰嚢神経(♂) Posterior scrotal nerves♂
1. 解剖学的特徴と走行
- 後陰嚢神経は、陰部神経から分枝する感覚神経系であり、後陰嚢の皮膚感覚を支配する (Drake et al., 2020)。
- 会陰筋膜を貫通して皮下に至り、皮下組織の深層を走行する (Standring, 2021)。
- 走行は比較的安定しており、変異は少ない。
- 左右対称的に分布し、両側性に存在する。
2. 分布と終末様式
- 主に陰嚢後面の皮膚に分布し、外側から内側に向かって走行する (Moore et al., 2019)。
- 陰嚢中隔に達すると、対側からの枝と吻合を形成する。
- 会陰部の皮膚と深部を貫通し、表層に到達する。
- 陰嚢の後方部から側方部にかけて複数の神経枝を派出し、皮下組織内で細かく分枝して終末する。
3. 機能と感覚支配
- 表在性知覚神経として、触覚、痛覚、温度覚などの体性感覚を伝達する (Netter, 2023)。
- 特に陰嚢後方部の知覚を担当し、自律神経系とは独立して機能する。
- 周囲の血管や組織との解剖学的位置関係を維持しながら機能を果たす。
4. 発生学的背景
- 仙骨神経叢に由来し、体性神経として発生する (Sadler, 2022)。
- 主に感覚神経線維から構成される。
5. 臨床的重要性
- 会陰部の手術や処置時に保護すべき重要な神経構造である (Campbell-Walsh, 2021)。