肋間上腕神経 Nervi intercostobrachiales
1. 基本的特徴と走行
- 肋間上腕神経は、主として第2肋間神経の外側皮枝として存在し、腋窩から上腕内側面の皮膚感覚を支配する (Loukas et al., 2006)。
- 起始は、第2肋間神経外側皮枝単独(59.5%)が最も多く、第2-3肋間神経外側皮枝(21.6%)がそれに次ぐ (O'Rourke et al., 2013)。
- 通常、前枝と後枝に分岐し(51.4%)、より太い後枝は上腕近位部の内側から後面の皮膚に分布する。
2. 神経の走行と分布
- 前枝は上腕皮神経の上腕皮枝と交通し、上腕前面の皮膚に分布する (Cunnick et al., 2011)。
- 腋窩の前方では小胸筋の外側縁に位置し、腋窩脂肪組織内を走行する。
- 腋窩静脈の内側に位置することが多く、腋窩動静脈の周囲を走行する。
- 第1肋間神経外側皮枝は、内側上腕皮神経や腕神経叢内側神経束と高頻度で交通する。
3. 解剖学的変異と特徴
- 筋性腋窩弓が存在する場合、その浅層や深層を通過、または貫通することがある (Kumar et al., 2018)。
- 第2肋間神経外側皮枝が最も太く、主要な枝となる。
- 小胸筋の外側縁付近で表層に出現し、皮下組織内を走行する。
- 内側上腕皮神経など他の神経との吻合が頻繁にみられ、複雑な神経叢を形成する。
4. 皮膚支配領域
- 主な分布領域は腋窩から上腕内側部の皮膚感覚である (Andersson et al., 2012)。
- 皮下脂肪層を走行し、皮膚に終末枝を分布させる。
- 腋窩部では複数の細枝に分かれ、腋窩の皮膚と皮下組織に広く分布する。
5. 臨床的意義と手術時の注意点