胸神経 Nervi thoracici [T1-T12]

J0812 (脊髄:右側の脊髄と椎体の位置)

J0814 (脊髄:後方からの図)

J0821 (脊髄を通る断面(大人の):第8胸神経の出口点)
J0822 (脊髄を通る断面(大人の):第2胸神経の出口点)

J0827 (脊椎管内の被鞘と下部脊髄端、背面からの図)

J0828 (脊椎と筋の断面図)

J0925 (各脊髄神経の皮膚内での分布地域:前面から見た図)
J0926 (各脊髄神経の皮膚内での分布地域:後面から見た図)

J0929 (右側の頚神経叢と腕神経叢:模式図)

J0955 (右側の腰仙骨神経叢:図解)
基本的解剖学的特徴
- 胸神経は12対存在し、前枝(肋間神経)と後枝の2枝に分岐する (Gray and Williams, 2021)。後枝は胸椎横突起を通過し、前枝は肋間神経として機能する。
- 第1胸神経(T1)は主として腕神経叢の形成に関与し、第12胸神経(T12)は肋骨下縁に沿って走行する (Moore et al., 2023)。
胸神経の機能的区分
- 上部胸神経(T1-T4):胸部上部の感覚・運動支配を担当し、一部は上肢の神経支配にも関与する (Standring, 2022)。
- 中部胸神経(T5-T9):胸部中央部から腹部上部の支配を担当し、肋間筋群の運動制御に重要な役割を果たす。
- 下部胸神経(T10-T12):腹部の支配を担当し、腹壁筋の運動制御と腹部皮膚の感覚支配に関与する。
臨床的重要性
- デルマトーム支配:各胸神経は特定の皮膚分節(デルマトーム)を帯状に支配し、神経学的診断の重要な指標となる (Drake et al., 2020)。
- 神経障害の症状:胸神経障害は、支配領域の感覚異常(痛覚、触覚、温度覚の変化)や運動障害として出現する。
- 帯状疱疹との関連:胸神経の皮節(デルマトーム)分布は帯状疱疹の発症パターンと密接に関連し、診断の手がかりとなる (Watson and Dyck, 2020)。
前枝と後枝の機能的特徴
- 後枝:背部の皮膚感覚と傍脊柱筋群の運動支配を主に担当し、脊柱の安定性維持に重要である (Netter, 2023)。
- 前枝(肋間神経):胸壁の感覚・運動支配、胸腹部の皮膚分節支配、および呼吸運動の制御に関与する。
神経枝の詳細構造
- 後根神経節枝:脊髄後根神経節に連絡し、体性感覚情報の中継と統合に重要な役割を果たす。
- 交通枝:交感神経幹との連絡を形成し、自律神経系による内臓機能の調節に関与する (Snell, 2022)。
- 筋枝:肋間筋群や胸壁筋群への運動神経支配を行い、呼吸運動の制御に不可欠である。