前骨間神経;前前腕骨間神経 Nervus interosseus antebrachii anterior

前骨間神経(前前腕骨間神経)は、円回内筋の高さで正中神経から分岐し、前腕骨間動脈とともに前腕骨間膜の掌側を走行します (Tubbs et al., 2015)。この神経は、以下の筋に運動枝を分布します:

  1. 長母指屈筋
  2. 深指屈筋橈側頭
  3. 方形回内筋 また、橈骨と尺骨の骨間膜にも小枝を派出します。

1. 解剖学的特徴と走行

前骨間神経は、主に運動性の神経線維を含み、上記の筋群への運動支配を担います。加えて、手根骨および中手骨の関節包に感覚枝を供給することで、固有感覚にも関与しています (Dellon and Mackinnon, 2018)。

2. 臨床症状と診断

前骨間神経の障害により、以下の特徴的な症状が出現します (Campbell, 2020):

  1. 母指と示指の末節骨の屈曲障害
  2. 精密把持(ピンチ動作)の困難さ
  3. 母指-示指間での「OK」サインの形成障害

神経麻痺の主な原因として、以下が挙げられます:

  1. 外傷性損傷
  2. 神経への圧迫
  3. 炎症性変化

3. 治療とリハビリテーション

診断は主に筋電図検査によって確定されます (Wang et al., 2019)。治療方針として:

  1. 保存的治療
  2. 手術的治療(保存的治療で改善が見られない場合)