後迷走神経幹は以下のような特徴を持つ神経束です:
後迷走神経幹の主な枝には以下のものがあります:
これらの枝を通じて、後迷走神経幹は消化器系の様々な機能を調節しています。
日本人のからだ(宮木孝昌 2000)によると
解剖学用語(日本解剖学会, 1987)によると、腹部の迷走神経には前迷走神経幹(左迷走神経)と後迷走神経幹(右迷走神経)およびそれらの枝の前胃枝、後胃枝、肝枝、腹腔枝、腎枝があると記載されています。Mitchell(1953)によれば、前迷走神経幹の枝には前胃枝、幽門枝、肝枝および腹腔枝があり、後迷走神経幹の枝には後胃神経と腹腔枝があると記載されています(表106)。
迷走神経の腹部の枝は叢状や網状をつくり、血管などに絡みついて内臓に分布しています。そして、内臓に分布する神経叢には交感神経の線維と迷走神経の線維が含まれており、両方の線維を肉眼的観察によって区別することは難しいです。そこで、迷走神経の線維を含む神経や神経叢をそれぞれ左肝神経叢、右肝神経叢、前胃神経叢、後胃神経叢、左胃動脈神経叢、脾動脈神経叢、総肝動脈神経叢としました(表107)。