後迷走神経幹 Truncus vagalis posterior
基本構造と機能
- 右迷走神経は食道の右側を下行し、噴門で胃の後面に現れて後迷走神経幹となる (Gray and Lewis, 2023)。
- 消化器系の機能を制御し、消化酵素の分泌と胃の筋肉収縮を調節する (Standring, 2024)。
主要な神経枝
- 後胃枝:胃の後下面に分布する (Moore et al., 2023)。
- 腹腔枝:全体の約3分の2を占め、肝臓、膵臓、脾臓などの上腹部臓器に分布する。
解剖学的走行
- 噴門の右側で分枝し、後胃神経叢および左胃動脈神経叢と連絡する (Netter, 2023)。
- 内臓の神経叢には交感神経と迷走神経の両方の線維が含まれており、肉眼での区別は困難である。
臨床的意義
- 迷走神経切断術(vagotomy)における重要な手術指標となる (Skandalakis et al., 2024)。
- 胃酸分泌の制御に関与するため、消化性潰瘍の治療に重要である。
解剖学的変異
- 後迷走神経幹の走行パターンには個人差があり、複数の小枝に分かれることがある (Tubbs et al., 2023)。
- 腹腔枝の分布範囲にも個体差が認められる。
発生学的由来
- 神経堤細胞から発生し、迷走神経の一部として発達する (Sadler, 2024)。
- 胎生期に食道の後方を下降しながら、最終的な走行経路を確立する。
神経線維の構成