反回神経 Nervus laryngeus recurrens

J0759 (左の胸腔と縦隔、肺および胸膜の除去:左側からの図)

J0760 (胸骨を通る水平断面:上方からの図)

J0763 (甲状腺、近隣の臓器に対する位置:背面からの図)

J0923 (頚部の右迷走神経:右側からの図)

J0924 (胸腔および腹腔にある左迷走神経:左側からの図)

J0931 (横隔神経:前面からの図)

J0976 (右交感神経の胸部網状組織、右前方からの図)
1. 定義と基本的特徴
反回神経は迷走神経から分岐する重要な混合神経であり、運動性および知覚性の神経線維を含んでいる (Standring et al., 2021)。その名称は、迷走神経から分岐後に大血管を「反回」(下方から回り込む)する特徴的な走行経路に由来している。頸部および胸部の外科手術において、最も慎重な取り扱いを要する重要構造物の一つとされている (Randolph, 2020)。
2. 解剖学的走行の特徴
左右差のある走行経路
- 右反回神経:鎖骨下動脈を下方から回り込み、比較的短い経路をとる (Moore et al., 2022)。
- 左反回神経:大動脈弓を下方から回り込み、右側と比べてより長い経路をとる。
共通する走行特徴
- 気管・食道溝に沿って上行する。
- 甲状腺後面を通過する際は、特に手術時の注意を要する (Teymoortash and Werner, 2019)。
- 最終的に下喉頭神経として喉頭に進入し、終末する。
3. 神経支配の詳細
運動性支配
- 内喉頭筋群(輪状甲状筋を除く)への運動支配を行う (Drake et al., 2020)。
- 声帯の緊張度および弛緩の精密な制御を担う。
知覚性支配
- 喉頭下部の粘膜からの知覚情報を伝達する。
- 気管および食道への分枝を介した知覚支配を行う。
4. 生理学的機能