鼓室神経叢 Plexus tympanicus

解剖学的特徴

鼓室神経叢は、鼓室迷路壁の岬角上に位置する神経叢であり、ヤコブソン神経叢としても知られる。鼓室神経は舌咽神経の分枝として、下岩神経節から起こり、頚静脈孔を通過後、下鼓室小管を通って鼓室に入る。

構成と走行

神経叢は岬角上で形成され、中耳腔内を広く分布する。また、内頚動脈神経叢と吻合して交感神経線維を受け取る。

機能と分布

発生と解剖学的関連構造

第IX脳神経(舌咽神経)の分枝として発生し、発生過程で顔面神経や内頚動脈神経叢との連絡を確立する。主な関連構造として、岬角(鼓室の内側壁の隆起部)、下鼓室小管(鼓室神経の通路)、および耳神経節(浅錐体神経の標的となる副交感神経節)がある。

臨床的意義

J909.png

J0909 (右の翼突管神経(ヴィディアン神経):右方からの図)