アブミ骨筋神経 Nervus stapedius
解剖学的特徴
- 顔面神経(CN VII)の枝である。
- 顔面管内のCN VIIから分枝し、錐体隆起の対側に位置する。
- 錐体隆起の小管を経由してアブミ骨筋に達する。
- アブミ骨筋反射(音響性アブミ骨筋反射)に関与する。
- 強い音に対する保護反射を制御する。
- アブミ骨筋を収縮させることで、鼓膜の振動を減少させる。
機能と臨床的意義
- アブミ骨筋の運動を支配する。
- 神経損傷によりアブミ骨筋麻痺が生じ、音の過敏(過感覚)を引き起こすことがある。
関連する疾患と症候
- 顔面神経麻痺の一症状として現れることがある。
- ベル麻痺患者でアブミ骨筋反射の消失が観察されることがある。
- 聴覚過敏(音の増強)は、アブミ骨筋麻痺の特徴的な症状である。
解剖学的位置関係
- アブミ骨筋神経は錐体部顔面神経から分岐する。
- アブミ骨筋腱までの経路は骨性の小管内を通過する。
- 顔面神経管内で分枝し、アブミ骨筋に至る。
