外転神経 Nervus abducens [VI]
脳の断面(模式図を含む)

dに対応する延髄と橋の移行部の断面の模式図

脳底の動脈(大脳動脈輪を中心に)

J0567 (脳底の動脈)

J0605 (右側の海綿静脈洞の冠状断面:背面からの図)

J0834 (脳の底部:下方からの図)

J0835 (脳幹:右方からの図)

J0840 (後脳および延髄:左外側からの図)

J0843 (脳:下前方からの図)

J0902 (硬脳膜:上方からの図)

J0903 (脳硬膜:右上方からの図)

J0904 (硬脳膜と頭蓋骨を通る神経)

J0905 (右側の三叉神経節:内側からの図)

J0906 (右眼窩の神経、第1層:上方からの図)

J0907 (右の眼窩の神経、第2層:上方からの図)

図511(頭蓋腔の位置)

図513(眼窩の神経:外側から見た図)
1. 基本的特徴
- 第六脳神経に分類され、外側直筋のみを支配する純粋な運動神経である (Gray et al., 2020)。
- 起始核は橋の背側部に位置し、橋の後縁正中線近傍から脳幹を出る (Standring, 2021)。
- 頭蓋底を前進し、内頚動脈の外側を走行して海綿静脈洞を通過後、上眼窩裂から眼窩に入り、外側直筋の内側面に達する。
2. 解剖学的走行
- 橋・延髄錐体境界部から起始し、前方へ走行して鞍背外下方で硬膜を貫く (Moore et al., 2019)。
- 海綿静脈洞内では硬膜鞘に包まれ、主として運動神経線維で構成される。
- 内頚動脈外側と交差して上眼窩裂に向かい、動眼神経分岐部外側、鼻毛様体神経下外側に位置する。
- 最終的に外側直筋内側面から筋実質内に進入し、運動性支配を行う。
3. 解剖学的変異と神経連絡
- 通常は単一の神経束(1条)として存在するが、稀に欠如や2条分布が報告されている (Netter, 2019)。
- 欠如例では動眼神経下枝による機能代償が確認されている。
- 動眼神経、鼻毛様体神経、毛様体神経節長根との間に神経連絡(交通)を有する。
4. 機能と支配
- 眼球の外転(外側方向への回旋)運動を単独で司る (Drake et al., 2020)。
- 外側直筋への単独支配神経であり、他の脳神経による機能代償は困難である。
- 水平方向の共同性眼球運動において重要な役割を担う。