下歯槽神経 Nervus alveolaris inferior
基本的な解剖学的特徴
- 下顎神経の主要な終末枝であり、下顎孔を通過して下顎管内に入り、下歯神経叢を形成する (Siéssere et al., 2023)。
- 下顎の歯、下顎骨の骨膜、および歯肉に感覚神経を分布する (Kim et al., 2022)。
解剖学的位置関係
- 下顎枝内面の下顎孔から始まり、下顎管内を前下方に走行する (Yu et al., 2024)。
- オトガイ孔付近で終末枝となり、オトガイ神経として下唇とオトガイ部の皮膚に分布する。
主要な分枝
- 顎舌骨筋神経は下顎孔の上方約13mmの位置で分岐し、顎舌骨筋と顎二腹筋前腹に分布する (Wang et al., 2023)。
- 臼歯枝は1~4本が分岐し、犬歯部から第3大臼歯部に分布する。
- 切歯枝は正中から第1小臼歯部に枝を送り、左右の切歯枝が吻合することがある。
- オトガイ神経はオトガイ孔から出て、下唇枝、口角枝、オトガイ枝となり、下唇とオトガイの皮膚に分布する。
神経の走行
- 下顎孔から下顎管に入った後、第1-第2小臼歯間の位置で後上方に方向を変える (Lee and Park, 2024)。
- 下顎管内を走行中、歯槽部に向かって臼後枝、臼歯枝、切歯枝、小臼歯枝を分岐する。
- これらの分枝は互いに吻合して下歯神経叢を形成し、下顎の歯に歯枝や歯肉枝を供給する。
神経交通
- 下顎孔に入る前の交通として、舌神経との交通が最も高頻度に観察される (Chen et al., 2023)。
- 耳介側頭神経との交通も比較的高頻度に認められる。
- 頬神経との交通は稀に観察される。