鼓索神経 Chorda tympani
解剖学的特徴
- 顔面神経管の下端付近から分岐し、鼓室を通過する。
- 鼓膜の内側において、キヌタ骨長脚とツチ骨柄の間を走行する。
- 舌神経と合流する。
生理学的機能
- 舌神経に味覚神経線維を提供する。
- 顎下神経節を介して顎下腺・舌下腺へ分泌神経線維を送る。
- 味覚および唾液分泌の調節において重要な役割を果たす。
神経の走行経路
- 顔面神経から分岐後、鼓室後壁を通過する。
- 鼓室内では、ツチ骨とキヌタ骨の間を前下方に走行する。
- 側頭下窩で舌神経と合流し、舌へと向かう。
神経の機能分類
- 特殊内臓求心性線維(味覚)を含む。
- 副交感神経節前線維(分泌)を含む。
- 舌神経に合流後、舌前2/3の味覚を支配する。
臨床的意義
- 鼓索神経の損傷は、舌の前2/3の味覚障害を引き起こす可能性がある。
- 中耳手術時に損傷するリスクがあり、慎重な手術操作が必要。