外側翼突筋神経 Nervus pterygoideus lateralis
構造と起源
- 下顎神経(CN V3)から分岐する神経。
- 深側頭神経と同様に、卵円孔を介して頭蓋底を通過する。
- 外側翼突筋に向かって前下方へ走行する。
- 外側翼突筋の内側面で終末枝に分かれる。
機能と支配
- 外側翼突筋を神経支配する咀嚼筋の神経。
- 下顎の前方突出および側方運動の制御に関与する。
- 外側翼突筋の上頭・下頭を支配し、咀嚼および発話機能を担う。
臨床的意義
- 顎関節症の診断と治療において重要な神経である。
- 外側翼突筋の機能障害は、顎関節の異常運動や疼痛の原因となりうる。
- 神経ブロック療法の際の重要な解剖学的指標となる。
周辺の解剖学的関係
- 翼突筋静脈叢に近接して走行する。
- 中硬膜動脈の近傍を通過する。
- 下顎神経の他の枝(深側頭神経など)と解剖学的に密接な関係にある。

J0913 (下顎神経の分岐、深層:右方からの図)