頬骨顔面枝(頬骨神経の) Ramus zygomaticofacialis (Nervus zygomatici)
基本的特徴
- 頬骨神経の枝として上顎神経から分岐する。
- 眼窩内側角に沿って走行し、頬骨顔面孔を経由して顔面に出現する。
- 眼輪筋を貫通し、頬骨部の皮膚に分布する。
解剖学的特徴
- 分岐後、前方に約17mm(8–25mm)走行する。
- 頬骨眼窩孔に1–3本の枝が進入する。
- 発育不全により、頬骨内部まで到達しない例も存在する。
解剖学的位置関係
- 頬骨神経は眼窩内で頬骨眼窩枝と頬骨側頭枝に分かれる。
- 頬骨顔面孔は頬骨の外側面に位置する。
- 眼窩下神経と顔面神経の分布領域の間に位置する。
機能的特徴
- 感覚神経として、頬骨部の皮膚感覚を支配する。
- 周囲の神経との吻合により、複雑な感覚支配網を形成する。
- 顔面の表情筋には直接の運動支配は行わない。
臨床的意義
- 顔面整形手術や外傷治療の際に損傷のリスクがある重要な神経である。
- 頬骨骨折の手術時に注意が必要な解剖学的構造物の一つである。