前篩骨神経 Nervus ethmoidalis anterior
解剖学的特徴
- 鼻毛様体神経から分岐する神経である。
- 前篩骨孔を通過して頭蓋腔に進入する。
- 篩板上を経由して鼻腔内へ進入する。
- 前頭蜂巣粘膜にも分布する。
- 交感神経線維を含み、血管運動性の調節に関与する。
- 鼻腔内では知覚神経として機能する。
分布と支配領域
- 内鼻枝と外鼻枝の2つの枝に分かれる。
- 内鼻枝は鼻粘膜の前上部を支配する。
- 外鼻枝は鼻背部の皮膚を支配する。
- 前篩骨蜂巣および前頭洞の神経支配を行う。
臨床的意義
- 外科手術時の重要な解剖学的指標となる。
- 前頭洞手術や鼻内手術の際に損傷のリスクがある。
- 損傷により前頭部や鼻部の感覚障害を引き起こす可能性がある。
変異と特記事項
- 走行経路に個人差が見られることがある。
- 稀に欠損または重複が報告されている。