三叉神経節 Ganglion trigeminale
基本構造と位置
- 三叉神経節は、大きな扁平な知覚神経節で、中頭蓋窩の正中部分に位置します。
- ガッセル神経節またはガッサー神経節とも呼ばれます。
- 厚さ2-3 mm、長さ約17 mmです。
- 三叉神経節は楕円形または半月形の形状をしています。
- 硬膜の特殊な折り返し(メッケル腔)の中に位置しています。
- 約1万個の神経細胞を含む大型の感覚神経節です。
機能と分岐
- 顔面と口腔の感覚情報を処理する重要な神経節です。
- 眼神経、上顎神経、下顎神経の3つの主要な枝に分かれます。
- 三叉神経節から出る3つの枝は、それぞれ異なる領域の感覚を担当します:
- 眼神経(V1)は前頭部、眼窩、鼻腔上部の感覚を支配
- 上顎神経(V2)は上顎、頬部、鼻腔下部、上歯列の感覚を支配
- 下顎神経(V3)は下顎、舌前2/3、下歯列の感覚と咀嚼筋への運動を支配
- 神経節内の神経細胞は単極性で、中枢性突起は橋へ、末梢性突起は3つの枝へと伸びています。
- 感覚の種類として、触覚、痛覚、温度覚、深部感覚などを伝えます。
解剖学的詳細
- 知覚根は扇状に広がって三叉神経節を形成し、運動根は神経節の下側を通り下顎神経と合流します。
- 末梢神経枝は、眼神経が最も長く、上顎神経が中程度、下顎神経が最も短いです。
臨床的意義
- 三叉神経痛の主要な原因部位として重要です。
- 神経血管圧迫症候群の好発部位の一つです。