感覚根(三叉神経の) Radix sensoria
解剖学的特徴
- 三叉神経の主要部分を構成する体性感覚線維束 (Standring et al., 2020)。
- 三叉神経節から発生し、単一の太い感覚根として橋へ進入する (Crossman and Neary, 2019)。
- 橋内で三叉神経主感覚核および三叉神経脊髄路核へと投射する。
- 知覚根の直径は約3-4mmで、運動根より太い (Wilson-Pauwels et al., 2021)。
- 橋の外側部において、知覚根は運動根の背側(後方)に位置する。
- 中枢側の線維は橋内を走行し、三叉神経の中脳路核、主知覚核、脊髄路核に終止する。
- 知覚根の線維は偽単極性ニューロンの中枢性突起であり、三叉神経節(ガッセル神経節)に細胞体がある (Kiernan and Rajakumar, 2023)。
機能
- 顔面および口腔の感覚情報を脳へ伝達する主要な経路である (Netter, 2019)。
- 顔面、頭皮、歯、口腔粘膜、鼻腔、副鼻腔からの触覚、温度覚、痛覚を伝える。
- 咀嚼筋の固有感覚(筋紡錘と腱紡錘からの求心性情報)を伝達する。
- 歯根膜の圧受容器からの情報を伝える (Berkovitz et al., 2022)。
臨床的意義
- 三叉神経痛や顔面の感覚障害の原因となる病変の診断に重要である (Love and Coakham, 2001)。
- 神経圧迫や脱髄性疾患により、顔面の感覚異常や疼痛が生じることがある。
解剖学的関係
- 橋の外側面で三叉神経根として出現し、前方へ走行する (Drake et al., 2020)。
- 中頭蓋窩を前方に進み、三叉神経節(ガッセル神経節)に達する。