前根(脊髄神経の)Radix anterior (Nervus spinalis)
基本構造と機能
- 脊髄から出る二つの根の一つで、腹側根としても知られる。
- 主に骨格筋の随意運動を制御する運動線維を含む。
- 脊髄の前角から前方(腹側)に出て、後根と合流して脊髄神経となる。
- 神経線維は有髄性で、軸索を髄鞘(ミエリン鞘)が取り囲んでいる。
含まれる神経線維
- 前角の運動ニューロンからの運動線維。
- 側角からの自律神経系ニューロンの線維。
- すべての線維は遠心性(出力性)である。
臨床的意義
- 前根の損傷は運動機能の障害を引き起こす。
- 前根の圧迫は、筋力低下や筋萎縮などの症状を示す。
- 脊髄神経障害の診断において、前根の機能評価は重要な指標となる。
診断と検査
- 筋電図(EMG)検査により前根の機能を評価できる。
- 神経伝導検査で運動神経の伝導速度を測定する。
- MRIやCTで前根の圧迫や損傷を画像的に確認できる。
治療アプローチ