根糸(脊髄神経の)Fila radicularia (Nervus spinalis)

J0825 (二つの神経の根を持つ脊髄の一部、半分は模式的:前方からの図)


J0864 (錐体交叉とオリーブ間を通る脳幹の断面)


J0873 (毛帯(感覚)交叉の高さ、8-9ヶ月胎児の脳幹の断面)
1. 解剖学的構造
1.1 基本構造
- 根糸は脊髄から発生し、椎間孔を通過する細い神経線維束である (Standring et al., 2021)。
- 中枢神経系と末梢神経系を接続し、感覚・運動情報を伝達する重要な構造である (Moore et al., 2023)。
- 根糸は髄膜(軟膜、くも膜、硬膜)に包まれており、物理的・化学的損傷から保護されている (Drake et al., 2020)。
- 根糸は脊髄の特定の分節レベルに対応して配置されており、体節性の支配パターンを形成する (Snell, 2022)。
1.2 根糸の分類と組成
- 根糸は前根糸(ventral rootlets)と後根糸(dorsal rootlets)の2種類に大別される (Moore et al., 2023)。
- 前根糸は運動性神経線維を含み、運動指令を脊髄前角から筋肉へと伝達する (Standring et al., 2021)。
- 後根糸は感覚性神経線維を含み、感覚情報を身体から脊髄後角へと伝達する (Drake et al., 2020)。
- 前根糸は主に有髄神経線維(Aα線維、Aγ線維)で構成され、速い伝導速度を持つ (Snell, 2022)。
- 後根糸には有髄線維(Aβ線維、Aδ線維)と無髄線維(C線維)の両方が含まれ、多様な感覚モダリティを伝達する (Hall, 2021)。
1.3 神経細胞体の局在
- 前根糸の神経細胞体(運動ニューロン)は脊髄前角に存在し、αモーターニューロンとγモーターニューロンに分類される (Hall, 2021)。
- 後根糸の神経細胞体(感覚ニューロン)は後根神経節(脊髄神経節)に存在し、偽単極性ニューロンである (Standring et al., 2021)。
- 自律神経系の交感神経節前線維の細胞体は、胸髄および上部腰髄の外側角に存在する (Drake et al., 2020)。
1.4 形態学的特徴
- 根糸の直径と数は、脊髄の各レベルによって異なり、頸膨大部と腰膨大部で最も太い (Moore et al., 2023)。