レンズ核 Nucleus lentiformis

J854.png

J0854 (側脳室および側脳室脈絡叢を剖出:脳の上方からの図)

J858.png

J0858 (中心の前方で少しの第三脳室を通る前頭断面)

J884.png

J0884 (脳の冠状断:左半分、前交連を通る断面:後方からの断面図)

J885.png

J0885 (脳の冠状断、左半分、前交連より前を通る:後方からの断面図)

J886.png

J0886 (脳の前交連を通る水平断:上方からの断面図)

J891.png

J0891 (脳のいくつかの大きな神経路の経過の説明)

1. 解剖学的構造

1.1 基本構成と位置

レンズ核は終脳の深部に位置する大脳基底核の主要な構成要素であり (Parent and Hazrati, 1995)、外側から内側に向かって被殻(putamen)と淡蒼球(globus pallidus)の2つの構造から構成される (Alexander et al., 1986)。この複合体は、内包によって内側の視床から分離され、外側は外包と島皮質に接している (Yelnik, 2002)。

1.2 淡蒼球の区分

淡蒼球はさらに外節(GPe: globus pallidus externus)と内節(GPi: globus pallidus internus)の2つの亜区分に分かれており、それぞれが異なる神経投射パターンと機能的役割を持つ (DeLong, 1990)。外節は主に間接路に関与し、内節は大脳基底核の主要な出力核として機能する。

1.3 形態学的特徴

レンズ核の名称は、その凸レンズ様の形態に由来する。被殻は淡蒼球よりも大きく、細胞密度が高い。組織学的には、被殻は線条体の一部として尾状核と同様の細胞構築を示すのに対し、淡蒼球は有髄線維が豊富で淡い外観を呈する (Yelnik, 2002)。

2. 神経連絡と回路

2.1 皮質からの入力

被殻は大脳皮質から豊富なグルタミン酸作動性入力を受けており、特に運動前野と一次運動野からの投射が重要である (Smith et al., 1998)。これらの皮質線条体投射は、運動計画と実行における基底核の役割の基盤となっている。感覚運動情報、認知情報、辺縁系情報が、機能的に分離された並列回路を通じて被殻に到達する (Alexander et al., 1986)。

2.2 ドーパミン作動性調節

黒質緻密部からのドーパミン作動性入力は、被殻における運動制御の調節に必須の役割を果たす (Gerfen and Surmeier, 2011)。ドーパミンは、直接路と間接路の線条体投射ニューロンに対して相反的な効果を持ち、運動の開始と抑制のバランスを調整する。D1受容体を発現する直接路ニューロンではドーパミンが興奮性に作用し、D2受容体を発現する間接路ニューロンでは抑制性に作用する。

2.3 基底核出力

淡蒼球内節は大脳基底核の主要な出力核として、視床腹外側核および腹前核を介して大脳皮質運動野に投射する (Nambu, 2004)。この淡蒼球-視床-皮質経路は、運動の選択と実行の最終的な調節を担う。淡蒼球内節からの持続的なGABA作動性抑制が、視床を介して皮質の活動を制御している。

2.4 直接路と間接路

被殻から淡蒼球への投射は、運動を促進する直接路と運動を抑制する間接路の2つの主要経路に分かれる (Smith et al., 1998)。直接路は被殻から淡蒼球内節へ直接投射し、間接路は被殻から淡蒼球外節を経由して視床下核を介して淡蒼球内節に至る。これらの経路のバランスが運動制御の精密な調節を可能にする。

3. 臨床的重要性

3.1 パーキンソン病