尾状核頭 Caput nuclei caudati
解剖学的特徴
- 尾状核頭は、弓状の大きな灰白質構造の前部を形成し、側脳室前角の外側壁に膨隆している。
- 視床の前方に位置し、後方に向かって細くなって、尾状核尾へと移行する。
神経回路と機能
- 運動、認知、感情などの多様な脳機能に関与する、重要な大脳基底核構造である。
- 大脳皮質から、グルタミン酸作動性投射を主要な入力として受ける。
- 黒質緻密部からドーパミン作動性入力、および視床からグルタミン酸作動性入力を受ける。
臨床的意義
- ハンチントン病では、尾状核頭部の特徴的な変性が認められる。
- パーキンソン病では、黒質-線条体系のドーパミン伝達障害が生じる。
- 尾状核頭部の病変により、運動障害や認知機能障害が引き起こされる可能性がある。

J0854 (側脳室および側脳室脈絡叢を剖出:脳の上方からの図)

J0856 (右側脳室:右方から剖出した図)

J0883 (大脳脚の方向に切断した脳の断面:前方からの断面図)

J0884 (脳の冠状断:左半分、前交連を通る断面:後方からの断面図)