前障 Claustrum
解剖学的特徴
- 大脳深部の薄い灰白質層であり、レンズ核と島の間に位置する板状の核である。
- 外包とレンズ核の間、および最外包と島皮質の間に存在し、前交連から側頭葉前部に至る。
機能と結合
- 大脳皮質と強い双方向性の神経結合を有し、意識、注意、感覚統合などの高次脳機能に関与している。
- 視床核および扁桃体からの入力を受け、大脳皮質へ広範に投射している。
臨床的意義
- 損傷により、意識状態の変化や認知機能障害を引き起こす可能性がある。
- てんかんの発作焦点となりうるほか、さまざまな精神疾患との関連が示唆されている。
発生学
- 終脳由来の構造物であり、大脳基底核の一部として発達する。
- 胎生期における神経細胞の遊走と分化により、特徴的な層状構造を形成する。

J0882 (結合腕を通る脳と小脳を接続する斜め断面)

J0883 (大脳脚の方向に切断した脳の断面:前方からの断面図)

J0884 (脳の冠状断:左半分、前交連を通る断面:後方からの断面図)