海馬 Hippocampus
解剖学的特徴
- 側脳室下角の内側壁に位置し、特徴的な弯曲した海馬溝を有する。
- 前端部上面には海馬指(海馬足)と呼ばれる突起があり、側脳室表面は海馬白板で覆われている。
- CA1~CA4の亜核を持ち、分子層、錐体細胞層、多形細胞層に区分される。
機能と重要性
- 短期記憶の形成において重要な役割を担う。
- 両側が損傷すると、最近の記憶が喪失する可能性がある。
臨床的意義と特性
- アルツハイマー病における早期萎縮の好発部位であり、てんかんの発作源となりやすく、また虚血に対して特に脆弱である。
- 成体脳においても神経新生が生じており、環境刺激に応じて神経回路を再構築することができる。
- 学習や記憶形成に伴うシナプスの可塑的変化が顕著に観察される。

J0854 (側脳室および側脳室脈絡叢を剖出:脳の上方からの図)

J0855 (第三脳室:上方からの図)

J0856 (右側脳室:右方から剖出した図)
