内顆粒層線条 Stria laminae granularis interna isocorticis
基本構造と位置
- 大脳皮質の等皮質の内顆粒層(第Ⅳ層)に位置する構造であり、外バイヤルジェ線条の別名を持つ (Brodmann, 1909)。
- 主として、視床の特殊核から伸びる視床皮質線維の終末から構成される (Jones, 2007)。
解剖学的特徴
- 有髄神経線維が高密度に存在し、神経線維構築上では、明るい帯として観察される (Vogt and Vogt, 1919)。
- 大脳皮質の層構造を理解する上で、重要な解剖学的指標となっている (Zilles and Amunts, 2010)。
機能的意義
- 視床からの情報伝達における主要な受容部位として機能している (Sherman and Guillery, 2013)。
- 感覚情報の処理において、重要な役割を担っている (Mountcastle, 1997)。
歴史的背景
- 19世紀に、Jules Baillargerによって初めて詳細な記述が行われ、これが大脳皮質の層構造研究の礎となった (Baillarger, 1840)。
臨床的意義
- 神経学的診断において、この構造の変化は様々な大脳皮質疾患の指標となりうる (Goldman-Rakic, 1988)。
- 画像診断技術の進歩により、より詳細な観察が可能となっている (Fischl and Dale, 2000)。
研究展望
- 神経回路の解明において、重要な研究対象となっている (Douglas and Martin, 2004)。
- 新しい画像技術の開発により、生体内での機能解析が進められている (Glasser et al., 2016)。
発生学的観点
- 大脳皮質の発達過程において、特定の時期に形成される重要な構造である (Rakic, 2009)。