外錐体層[第III層](等皮質の)Lamina pyramidalis externa isocorticis [Lamina III]
構造と特徴
- 大脳皮質(等皮質)の第III層を構成し、主に錐体細胞から成る (DeFelipe and Fariñas, 1992)。
- 浅部から深部にかけて細胞体のサイズが増大し、頂上樹状突起は分子層まで到達する (Spruston, 2008)。
- 軸索は白質に進入し、投射線維、連合線維、交連線維となる (Thomson and Lamy, 2007)。
機能的役割
- 他の皮質領域や皮質下構造との連絡を担う重要な出力層である (Harris and Shepherd, 2015)。
- 皮質内の局所回路形成に関与する (Markram et al., 2004)。
- 高次認知機能と情報統合のための神経回路網を形成する (Douglas and Martin, 2004)。
- 層特異的な神経結合パターンを介して、大脳皮質の階層的情報処理を支える (Thomson and Bannister, 2003)。
層の特異性
- 第III層は浅層(IIIa)、中層(IIIb)、深層(IIIc)に細分される (Jones, 2000)。
- 層の厚さと細胞密度は大脳皮質の領域によって異なる (Brodmann, 1909)。
- 運動野では大型の錐体細胞が特徴的で、感覚野では比較的小型の錐体細胞が密に配列する (Meyer et al., 2010)。
発生学的特徴
- 胎生期の皮質板から発生し、内側から外側に向かって移動する神経細胞によって形成される (Rakic, 2009)。
- 発達過程で樹状突起の形態と神経回路の複雑性が増す (Wong and Ghosh, 2002)。
- シナプス結合の再編成は生後も継続し、可塑性を維持する (Hensch, 2005)。
臨床的意義
- 神経変性疾患や発達障害において、この層の構造異常が観察されることがある (Lewis and Sweet, 2009)。