等皮質の層構造 Strata isocorticis
基本構造
- 等皮質の特徴は、神経細胞と神経線維が軟膜面に平行に配列していることです (Mountcastle, 1997)。
- 大脳皮質は6つの層に区分され、各層が特定の機能を担うことで、複雑な情報処理と高次認知機能を実現しています (Douglas and Martin, 2004)。
6層構造の特徴
- 第I層(分子層)は神経線維が主体であり、神経細胞が少ない層です (Harris and Shepherd, 2015)。
- 第II層(外顆粒層)と第IV層(内顆粒層)には小型の顆粒細胞が密集しています。
- 第III層(外錐体層)には中型の錐体細胞が、第V層(内錐体層)には大型の錐体細胞が特徴的です (DeFelipe and Fariñas, 1992)。
- 第VI層(多形細胞層)には様々な形態の神経細胞が存在します。
- 各層は固有の細胞構成と神経回路を持ち、皮質の情報処理において特有の役割を果たしています (Thomson and Lamy, 2007)。
投射パターン
- 入力線維は主に第IV層に終わり、局所回路を介して情報が他の層に伝達されます (Gilbert and Wiesel, 1979)。
- 第III層と第V層の錐体細胞は、皮質内の他の領域や皮質下構造への主要な出力を形成します。
- 第VI層の細胞は、視床への重要なフィードバック経路を提供しています (Jones, 2007)。
機能的特徴
- 各層は特徴的な神経回路を形成し、感覚情報の処理、運動制御、認知機能など、特定の機能を担っています (Larkum, 2013)。
- 層構造は領域によって厚さが異なり、その違いは機能的特性を反映しています。
- 神経細胞間の垂直方向および水平方向の結合により、複雑な情報処理が可能となっています (Binzegger et al., 2004)。
発生と可塑性
- 大脳皮質の層構造は、胎生期の神経発生過程で内側から外側に向かって形成されます (Rakic, 2009)。