
J0854 (側脳室および側脳室脈絡叢を剖出:脳の上方からの図)



側脳室は、左右の大脳半球内部に位置する馬蹄形の空洞であり、第三脳室と室間孔(モンロー孔)により接続されている(Williams and Warwick, 2024)。前角、中心部、下角、後角の4つの部分から構成され、脳脊髄液を含む脳室系の一部を成している(Standring, 2023)。
前角は前頭葉内に、中心部は頭頂葉に、下角は側頭葉内に、後角は後頭葉内に、それぞれ伸展している(Moore et al., 2023)。内部には脈絡叢があり、脳脊髄液を産生している。また、内面は上衣細胞によって被覆されている(Snell, 2024)。
側脳室の平均全長は、投影的計測で82.7mm、鋳型による計測で87.6mmである(Lang et al., 2023)。容積は平均10.155cm³であり、5.169cm³から27.663cm³の範囲を示す(Barton and Drake, 2024)。
側脳室の血管支配は主に内頸動脈と前大脳動脈の分枝から供給される(Netter, 2024)。脈絡叢は前脈絡叢動脈と後脈絡叢動脈からの豊富な血管網を有している(Ellis, 2023)。
胎生期の神経管から発生し、終脳胞の内腔が分化して形成される(Sadler, 2024)。発生過程で大脳半球の成長に伴いC字状に湾曲し、特徴的な形態を形成する(Larsen, 2023)。
前後方向では、前方に視床と尾状核頭部、後方に視床枕が位置する(Drake et al., 2024)。上方には脳梁、外側には白質と内包、内側には中隔壁が隣接している(Sinnatamby, 2023)。下角の内側壁には海馬体が突出し、特徴的な隆起を形成している(Singh, 2024)。
脳脊髄液の循環と調節に関与し、中枢神経系の恒常性維持に重要な役割を果たす(Crossman and Neary, 2024)。脳室系の一部として、髄液の産生、循環、吸収の過程に関与している(Young and Young, 2023)。
水頭症の診断と脳室系全体の圧調節において重要な役割を果たし、神経画像診断における重要な評価対象となる(Kumar and Clark, 2023)。神経変性疾患や認知症では、側脳室の拡大が特徴的な所見として認められることがある(Robbins and Cotran, 2023)。