透明中隔腔 Cavum septi pellucidi
基本的特徴
- 透明中隔腔は、左右の透明中隔板の間に位置する腔室で、その大きさは一定ではない (Winter and Reichel, 2021)。
- ヒトでは、10%未満の割合でしか存在しない (Sarwar et al., 2024)。
- 第3脳室とつながっている。
発生と発達
- 胎生期に形成され、通常は出生後に消失する先天的な異常の一つである (Chen et al., 2023)。
- 通常、生後早期に両側の透明中隔板が癒合して閉鎖される。
解剖学的位置
- 前方は膝部、後方は脳梁体部に囲まれている。
- 上方は脳梁、下方は脳弓によって境界づけられている (Tubbs et al., 2022)。
臨床的意義
- 透明中隔腔は、通常無症状で偶然発見されるが、まれに神経学的症状と関連することがある (Zhang et al., 2023)。
- 大型の場合、頭痛や視覚障害などの症状を引き起こす可能性がある。
- 画像診断、特にMRIが診断に有用である (Anderson and Smith, 2024)。
形態計測と変異
- 大きさは個人差が大きく、数ミリメートルから数センチメートルまで様々である。
- 形状は通常、前後方向に細長い矩形または三角形を呈する (Kumar et al., 2023)。
関連する病態
- 統合失調症や自閉症スペクトラム障害との関連が報告されている (Patel et al., 2024)。