透明中隔腔 Cavum septi pellucidi
基本的特徴
- 透明中隔腔は、左右の透明中隔板の間に位置する腔室で、その大きさは一定ではない。
- ヒトでは、10%未満の割合でしか存在しない。
- 第3脳室とつながっている。
発生と発達
- 胎生期に形成され、通常は出生後に消失する先天的な異常の一つである。
- 通常、生後早期に両側の透明中隔板が癒合して閉鎖される。
解剖学的位置
- 前方は膝部、後方は脳梁体部に囲まれている。
- 上方は脳梁、下方は脳弓によって境界づけられている。
臨床的意義
- 透明中隔腔は、通常無症状で偶然発見されるが、まれに神経学的症状と関連することがある。
- 大型の場合、頭痛や視覚障害などの症状を引き起こす可能性がある。
- 画像診断、特にMRIが診断に有用である。

J0854 (側脳室および側脳室脈絡叢を剖出:脳の上方からの図)

J0855 (第三脳室:上方からの図)

J0884 (脳の冠状断:左半分、前交連を通る断面:後方からの断面図)

J0885 (脳の冠状断、左半分、前交連より前を通る:後方からの断面図)