帯状回 Gyrus cinguli
解剖学的特徴
- 脳梁の前端から始まり、脳梁の上を回って後端まで達し、脳梁溝によって脳梁と分けられる (Vogt et al., 2017)。
- 帯状溝によって上前頭回と分けられ、後部では海馬傍回と連続して弓状回を形成する。
構造区分
- 前帯状回と後帯状回の2つの部分に分けられる (Bush et al., 2000)。
- 前帯状回は、感情処理、意思決定、痛みの知覚に関与する。
- 後帯状回は、記憶、空間認知、自己参照的思考に関与する。
機能的意義
- 辺縁系の一部として、感情処理、記憶、学習などの重要な機能を担う (Stevens et al., 2011)。
- 大脳辺縁系の主要構成要素として、情動や認知機能の統合において重要な役割を果たす。
病理学的意義
- 帯状回の機能障害は、うつ病、不安障害、統合失調症などの精神疾患と関連している (Rolls, 2019)。
- 前帯状回の異常は、慢性疼痛症候群や情動調節障害に関与することがある。
- 後帯状回の障害は、記憶障害やアルツハイマー病の初期症状として現れることがある。
臨床的意義
- 脳画像診断において、帯状回の構造や機能的変化は、様々な神経精神疾患の診断に重要な指標となる (Davidson et al., 2002)。
- 神経変性疾患の早期発見や進行モニタリングにおいて、帯状回の評価は重要な役割を果たす。
神経解剖学的位置関係
- 内側面に位置し、脳梁の周囲を取り巻くように存在する (Mai and Paxinos, 2022)。