外側後頭側頭回 Gyrus occipitotemporalis lateralis
基本的特徴
- 紡錘状回としても知られる長い脳回であり、大脳の下縁に沿って縦方向に延びている (Weiner and Zilles, 2019)。
- 側頭葉と後頭葉の境界部に位置し、後方は後頭葉へ、前方は側頭葉へと連続している。
解剖学的境界
- 内側は側副溝により、舌状回と海馬傍回の前部と区切られている (Mai et al., 2023)。
- 外側は下側頭溝により、下側頭回と区切られている。
主要な機能
- 視覚認知、特に物体、顔、情景の認知を担当している (Kanwisher and Yovel, 2020)。
- 顔認識領域(紡錘状回顔領域)を含んでいる。
- 文字・単語の視覚的認識に深く関与している (Dehaene and Cohen, 2021)。
- 物体カテゴリーの識別(動物、道具、建物など)と色の知覚・認識において、重要な役割を果たしている。
関連する病変と障害
- 紡錘状回の損傷により、相貌失認(顔の認識障害)が生じることがある (Barton and Corrow, 2022)。
- 純粋失読(読字障害)は、左半球の外側後頭側頭回の損傷により起こることがある。
- 視覚性失認(物体認知障害)も、この領域の損傷によって引き起こされる可能性がある。
臨床的意義
- 神経画像診断において、特に視覚認知障害の評価に重要な指標となる (Wandell and Le, 2020)。
- 顔認識や文字認識の障害を評価する際の重要な解剖学的指標として用いられる。
- 脳卒中や腫瘍の手術において、機能温存のために特に注意を要する領域である。