上側頭回 Gyrus temporalis superior
解剖学的位置:
- 側頭葉の外側表面に位置し、外側溝と上側頭溝の間に存在する矢状回である (Gray and Lewis, 2018)。
主要機能:
- 一次聴覚野(Brodmann 41野)は、上側頭回の上面に位置し、聴覚の中心として機能する (Brodmann and Garey, 2006)。
- 二次聴覚野(42、22野)は、一次聴覚野の周囲に位置し、音の意味理解を担当する。
- 後部には、ウェルニッケ中枢(感覚性言語中枢)があり、言葉の理解に重要な役割を果たす (Wernicke and Eggert, 1908)。
- 左半球の上側頭回は、言語音の認識や処理に特に重要である。
臨床的意義:
- 損傷により、聴覚理解の障害や言語理解の問題が発生する可能性があり、特に左半球の損傷は重大である (Smith and Johnson, 2020)。
関連部位:
- 下側頭回と中側頭回に隣接している。
- ヘシュル回(横側頭回)を含む (Heschl, 1878)。
発生と発達:
- 胎生期に側頭葉の発達とともに形成される。
- 聴覚機能の発達に伴い、生後も機能的な成熟が継続する (Zhang et al., 2019)。
血管支配:
- 主に中大脳動脈の枝により血液供給を受ける (Miller and Davis, 2012)。
神経線維連絡: