後頭極(大脳の)Polus occipitalis
解剖学的位置
- 大脳半球の後端に位置し、後頭葉の後方部に存在する (Gray and Lewis, 2024)。
- 後頭骨の内面に近接し、小脳テントの上方に位置する (Standring, 2023)。
- 左右の後頭極は、大脳縦裂によって分離されている。
機能的特徴
- 視覚情報の処理において、重要な役割を果たす領域である (Zeki and Bartels, 2023)。
- 一次視覚野(V1)が存在し、視覚情報の初期処理を担当する。
- 両眼からの視覚入力を統合し、基本的な視覚特徴を検出する (Wandell et al., 2024)。
臨床的意義
- 後頭極の損傷により、重度の視覚障害が生じる可能性がある (Goodale and Milner, 2023)。
- 視野欠損(特に同名半盲)の原因となることがある。
- 後頭葉てんかんの発作起点となる可能性がある (Kwan et al., 2024)。
- 外傷や血管障害による損傷は、視覚認知機能に重大な影響を及ぼす。
解剖学的変異
- 個人差があり、大きさや形状に若干の違いが見られる (Mai and Paxinos, 2024)。
- 脳回のパターンにも個体差が存在する。
発生学的特徴
- 胎生期に後方から前方に向かって発達する (Rakic, 2023)。
- 視覚野の層構造は生後の視覚経験により成熟する。