上前頭回 Gyrus frontalis superior
解剖学的位置
- 上前頭溝の上部に位置する大脳の構造である (Gray and Lewis, 2018)。
- 前頭葉に存在し、前部は前頭連合野の一部を構成し、後部には運動前野が含まれている (Ramnani and Owen, 2004)。
主要機能
- 実行機能(計画、意思決定、問題解決)を担当している (Miller and Cohen, 2001)。
- 作業記憶の処理において、重要な役割を果たしている (du Boisgueheneuc et al., 2006)。
- 自己認識や社会的認知に深く関与している (Amodio and Frith, 2006)。
高次脳機能における役割
- 注意の制御と維持に重要な役割を果たしている (Petrides, 2005)。
- 行動の抑制と制御を担当している (Koechlin and Summerfield, 2007)。
- 複雑な運動の計画と調整に深く関与している (Nachev et al., 2008)。
臨床的意義
- 損傷や病変により、実行機能障害や意思決定の困難さが生じる可能性がある (Szczepanski and Knight, 2014)。
- 注意欠陥や行動制御の問題が発生することがある (Bechara et al., 2000)。
- 社会的認知や自己認識の障害につながる可能性がある (Stuss, 2011)。
神経連絡
- 前頭前野の他の部分と広範な神経ネットワークを形成している (Yeterian et al., 2012)。
- 運動前野や補足運動野と密接な連絡がある (Dum and Strick, 2002)。
- 頭頂葉との連絡により、空間認知や運動制御に関与している (Cavada and Goldman-Rakic, 1989)。