第三脳室

第三脳室は、左右の間脳の間にある背腹方向にスリット状の腔です。前壁は終板と前交連で形成されます。前上部に室間孔があり、左右の側脳室とつながります。後方は中脳水道と繋がります。後壁には松果体陥凹があり、下壁は視床下部によって形成され、視交叉陥凹や漏斗陥凹が見られます。また、外側壁を形成する視床と視床下部の境界には視床下溝が走っています。なお、脳室の前上方部には、第三脳室終脳部と呼ばれる部分があります。

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J0833 (脳幹:脳の正中断面を左側からの図)

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J0855 (第三脳室:上方からの図)

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J0857 (第三脳室脈絡組織:上方から剖出)

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J0858 (中心の前方で少しの第三脳室を通る前頭断面)

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J0900 (頭部正中断面のクモ膜下腔、左半分:右方からの図)

日本人のからだ(後藤 昇・国府田 稔 2000)によると

中枢神経系は本来管構造であり、そのため脳と脊髄の内部には管腔が存在します。脊髄には微細な中心管とその最下端の終室があります。一方、脳の内部には複雑な形状の脳室が存在し、これは①側脳室、②第三脳室、③中脳水道、④第四脳室から構成されています。脳室と中心管、終室を合わせて脳室系と呼びます。脳室系の内面は上衣細胞に覆われています。

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図68 脳室

図68 脳室

AITH: 視床間橋、ALVFV: 第四脳室外側口(Luschka孔)、AMVIV: 第四脳室正中囗(Magendi孔)、AQC: 中脳水道、CA: 前角、PC: 中心部、RO: 視交叉陥凹、CP: 後角、V-IV: 第四脳室、CC: 中心管、CI: 下角、RP: 松果体陥凹、RSP: 松果上陥凹、RI: 漏斗陥凹、V-III: 第三脳室、FIV: 室間孔(Monro孔)