視神経交叉 Chiasma opticum
基本構造と位置
- 視床下部の漏斗前方に位置する扁平な線維板であり、視神経線維の交叉点である。
- 第三脳室底部を形成し、トルコ鞍の鞍隔膜上に位置している。
解剖学的機能
- 網膜の鼻側半分の線維は対側へ交叉し、側頭半分の線維は同側を通過する。
- 視交叉の背側から視索として両側に広がっている。
臨床的重要性
- 下垂体腫瘍による圧迫で、両耳側半盲を引き起こす可能性がある。
- 視交叉症候群は、視野欠損パターンから病変位置を特定する重要な指標となる。
発生学
- 前脳胞から発生し、胎生期早期に形成される。
- 発生過程において、視神経線維が規則的に配列され、視覚情報伝達経路が確立される。

J0566 (右眼窩の動脈:上方からの図)

J0829 (10.4mm頂殿長の人間の胎児の脳、右半分:左方からの図)

J0830 (13.8mm頂殿長の人間の胎児の脳、右半分:左方からの図)
