乳頭体 Corpus mammillare
解剖学的構造
- 視床下部の一部であり、有髄線維が豊富な左右1対の半球状隆起である (Aggleton et al., 2016)。
- 内側乳頭体核と外側乳頭体核から構成され、脚間窩に突出している。
神経連絡
- 脳弓から海馬足の主要線維束を受容し、その後、視床前核と脳幹被蓋部へと投射する (Vann and Nelson, 2015)。
機能
- 大脳辺縁系の重要な構成要素として、Papezの情動回路を形成している (Vann, 2010)。
- 空間記憶の処理と情動反応の調節に深く関与している (Dillingham et al., 2015)。
臨床的重要性
- 乳頭体の損傷は、Korsakoff症候群における主要な病理所見の一つである (Kopelman, 2015)。
- これにより、逆行性健忘と前向性健忘が引き起こされる可能性がある。
教育的意義
- 解剖学実習および神経解剖学の学習において、重要な構造物の一つとして認識されている。
- 視床下部の構造を理解する上で、重要な指標となる。
発生学的特徴
- 胎生期に視床下部の発生過程で形成される (Puelles et al., 2012)。
- 系統発生学的に古い脳の一部として、基本的な生命維持機能に関与している。
画像的特徴
- 脳の底面で、第三脳室の前方、視交叉の後方に位置する白色の小さな球状の隆起として観察される。