球状核 Nucleus interpositus posterior
解剖学的構造
- 小脳核の一つであり、2〜3個の円形の細胞集団から構成される (Voogd and Glickstein, 2018)。
- 栓状核の内側、室頂核の外側に位置し、大型および小型の多極細胞を含む (Ramnani, 2006)。
進化と分類
- ヒトでは後中位核とも呼ばれ、前中位核(栓状核)とは異なる特徴を持つ (Apps and Garwicz, 2005)。
- 下位哺乳類と比べ、ヒトではより明確に区分される構造を持つ。
機能と神経連絡
- 小脳虫部からの入力を受け、運動の調整と姿勢制御に関与する (Ito, 2006)。
- 下オリーブ核と脊髄からの入力を受け、赤核や視床へ出力を送る (Schmahmann et al., 2004)。
臨床的重要性
- 障害により、協調運動障害や姿勢維持の困難さが生じる可能性がある (Manto and Habas, 2019)。
- 小脳性運動失調の一部の症状と関連している。
発生学的特徴
- 胎生期に小脳核の分化過程で形成される (Butts et al., 2014)。
- 発生過程で他の小脳核とともに分化し、独自の細胞構築を獲得する。
解剖学的変異
- 個体差があり、大きさや形状に若干の違いが見られることがある (Tellmann et al., 2015)。
- 左右で非対称性を示すことがある。
研究の歴史